バリアフリー、ユニバーサル
買い物や生活に不便を感じている人がたくさんいます。
高齢者、障害者、妊産婦、幼児連れ、ベビーカー。
いずれは、自分が、あるいは家族の誰かがその立場になります。
気持ち良く、買い物や生活ができるようにお店として、配慮していきましょう。
ただし、自分で出来るなら、本人もその方が好ましく、過剰なサービスは不要です。
マニュアルを超えた臨機応変な対応も求められます。
うまく出来たら、自分をほめちゃいましょうね。
心のバリアフリー
大切なのは、設備より心配り、思いやり。温かい気持ちが安心感や共感を呼びます。
●困っている時だけ「お手伝いしましょうか?」
- 特別扱いはされたくない。ごく普通に、健常者と同じに、便利に使えるのが望ましい。
- 困っていない時は、そのままそっとしておく。
- 自分でできることは、自分でしてもらう。
- 幼児的な取り扱い、幼児的な話し方は×
- 一番ありがたいのは、困った時にすぐ気づいてくれての「声かけ」
- 困っているのは
立ち止まって、何か探しているような時
車イスで、段差・スロープ・ドア・狭い通路で止まっている時
視力、聴力、体力など、不自由な点を想像して、配慮する。
- 買う気が少ない時の商品チェックは、丁寧に応対してもらうと気が引けている。
●高齢者への対応
- ゆっくりはっきりした話し方で(やりすぎないように注意)
- 幼児に対するような話し方は×
- オーダーや要望を正確に聞く。
- 精算時もゆっくり進め、急がせない。
●車イス使用者への対応
- 障害の程度、車イスのタイプなどで対応が異なるので、サポートは本人の意思を確かめて対応する。
- 段差はすべて苦手。スロープ、坂道は注意が必要。
- 階段の上り下り介助は4人必要。上りは前向き、下りは後ろ向きが原則だが本人に確認して。
- 会話する時は腰を屈めて、目線の高さを合わせて。
- 高い位置にある商品が見えない、分からない、取れないので、必要な時にサポート。
- 低い位置にある商品が取れないので、必要な時にサポート。
- 高いレジカウンターが利用しづらいので、必要な時にサポート。
- 落としたものが拾えないので、必要な時にサポート。
- 店内で車イスをターンできる場所がないので、必要な時にサポート。
- ワゴン等で通路を狭くされると通過できないので、必要な時にサポート。
- スーパーの買い物カゴが大きすぎ、ヒザに乗せられない、支えられないので、必要な時にサポート。
- つり銭は手に渡す。
●車イスを押す時は
- 車椅子の真後ろに立ち、
- ハンドグリップを両手でしっかり深く握り
- 「押します」と声をかけてから
- ゆっくり押す。押すというより、いっしょに歩く感覚で。
- 短時間でも車椅子を止めるときは、ブレーキをかけるようにする。
- きつい傾斜のある通路や坂道に、車椅子を止めてはいけない。絶対に。
- 段差を越えるときは、
足元のステッピングバーをふみこみ、
ハンドグリップを両手で下げ、
キャスターが上がったら、
前の車輪を段に乗せ、
後輪を段差に押しつけ押し上げる。
- 後ろ向きに段差を下りるときは
後輪を段にそって下ろし、
キャスターを上げ、
車椅子を後ろにひき、
段を越えたらキャスターを下げる。
●視覚障害者への対応
- 陳列でくずれやすい積みかたをしない
- 点字のメニューや説明書を用意
- レジ精算の時、1点1点の商品名と価格を言い、つり銭は手に渡す。
- カード決済の場合、サインする場所を指差す。
- テーブル上や、目の前を説明するときに、時計の短針に例えるクロックポジションを使う。
手前が六時、右が三時。
一時の方向にサラダ、三時の方向にビールがあります。その左にグラスがあります。
- 誘導するときは
手や体を引っ張るのでなく、上腕やひじ、肩につかまってもらう。
真横ではなく斜め半歩前を歩き、
階段や段差、曲がり角では、いったん止まり、「右に90度曲がります」などと具体的に伝える。
狭いところを通るときは、「通路が狭くなります」と伝え、
つかまれている腕を自分の背中にまわし、前になって前後に並んで歩く
通過し終わったら、腕の位置を元に戻す。
「しばらくまっすぐ歩きます」
「信号なのでとまります」
「右に曲がります」など、適宜「声かけ」をする。
- 盲導犬を受け入れる。
盲導犬は、絶対に「触らない」「呼びかけない」「食べ物を与えない」
「身体障害者補助犬法」で、ほぼすべてのお店・飲食店・施設で、補助犬同伴者の入店が義務付けられ、入店拒否はできない。
●聴覚障害者への対応
- こちらの口が良く見える正面の位置で、自然に、ややゆっくり話す。
- ×背後から。×座っている頭の上から。×幼児的な話し方。
- 身振り手振りを加える。
- 筆談を丁寧な文字で行う。
- 難しい言葉、重要なことは筆談で確認しあう。
- 音声案内と同じ内容のPOPを掲げる
- 精算時にレジやレシートの合計額を指差して確認する
- 簡単な手話を勉強する
こんにちわ 両手の人差し指の指さ先を合わせる。(他の指は握って)
ありがとう 左の手のひらに右手の手刀でトントン。相撲で懸賞金を受け取る形
大丈夫? 手の平を前に向け、後ろ向き、前向きに数回繰り返し
何 人差し指を1本立てて左右に振る
設備のバリアフリー
良いサンプルはディズニーランド。滑らない歩道、配慮されたトイレや教育されたスタッフ。リピーターの多い要因でもあります。
ディズニーランドに行ったら、観察もしてみましょう。
●ただし、状況の異なるすべての方への設備面の完全対応は無理。出来る範囲で少しずつ。大切なのは心配り、です。
●床のフラット化
出来るかぎりスロープ化、フラット化をしましょう。
1〜2cmの段差でもつっかかることがあります。
妊婦さんもお腹で、段差が見えないことがあります。。
●スロープの傾斜角
12分の1以下(10cm上るのに120cm以上)
滑りにくい材質で。
●入り口、エレベーターの幅
80cm以上開く
●通路幅
130cm以上
●手すりの設置
階段、トイレ
●ドアの開閉方向
手前に引くドアは車イス利用者には無理。軽い引き戸、スライド式自動ドアが良い。
●ドアの材質
大きな透明一枚ガラスのドアは弱視者や高齢者が視認しにくいので、マークやシールで視認しやすくする。
●トイレの配慮設計
なるべく多機能(障害者、授乳者、オムツ替え、幼児同伴等)トイレに
車イスでも使える、広く(1500×2000かそれ以上)、手すり付のトイレ
利用しやすい場所に設置
引き戸のドア、自動スライドドア
非常ボタン付のトイレ。倒れた時も押せる非常スイッチ
●障害者専用駐車場
健常者の使用排除に、巨大な表示。
屋根の設置。
●表示類の大型化
売場案内、トイレ表示
価格表示
サービス説明
●通路の確保
店舗内通路
歩道
誘導ブロックの維持
●高齢者への対応
- 休憩用のイス。
- エスカレーター(下りもぜひ)
- 階段(手すり、滑り止め)
- トイレ(場所の分かりやすさ、使いやすさ、清潔さ、手すり)
※新宿高島屋では
車イス用の試着室を設置
エレベータガール2人乗車の専用エレベーター(車イス、ベビーカー、高齢者)を設置
多機能トイレの増設
バリアフリーの対象者
高齢者の方は多いのですが、障害者の方達の人数はビジネス的に見るとそう多いわけではありません。
でも、喜んでもらえれば、リピーターになってもらえ、仲間の人達への広がりもあり、
何より、お店の社会的な意義が強まります。仕事により強い誇りが持てます。
75才以上の高齢者 1100万人
視覚障害者(在宅) 30万人
同・子供 4800人
聴覚・言語障害者(在宅) 35万人
同・子供 1.5万人
軽度の難聴者 600万人
肢体不自由者(在宅) 175万人
同・子供 4.8万人
内部(内臓、呼吸器、免疫等)障害者(在宅) 85万人
同・子供 1.4万人
身体障害者補助犬 約1000頭
※身体障害者、身体障害児実態調査結果(平成13年6月1日厚生労働省調査)
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